有名なダイヤモンド(13)　「ポーラー スター」

それもまたダイヤモンドの価値の一つ

ポーラースター(北極星)は、全てのダイヤモンドのうち最も輝いていると言われており、その名前はパビリオンのエイトポイントスターカットに由来しています。

インドのゴルコンダ地域で産出したと推測されるものの、ナポレオンの兄ジョセフ ボナポルトの所有となった19世紀まで、その歴史に関して明確なことは分かっていません。

ジョセフはナポリ王とスペイン王を歴任しましたが、愚かであったためスペインは混乱し退位に追い込まれます。

彼が死亡した後、ロシアの極めて裕福なツァー一族の一員であるタチアナ ヨソーボフ王女がこの石を購入しました。

この強力な一族はボルシェビキ革命で亡命する時にこのダイヤモンドを持ち出し、亡命生活の収入を得るためパリでカルティエに売り渡します。

カルティエはこのダイヤモンドを2年間取っておき、シェル石油の創設者であるオランダのヘンリー デターディングというふさわしい買い手を見つけます。

デターディングは妻のリディアにこのダイヤモンドを贈り、彼女は特別な時に指輪もしくはペンダントとして着用しました。

リディア夫人が1979年に死亡すると、財産の直接の相続人がいなかったため、財産の一部として競売にかけられます。

1980年11月ジュネーブのクリスティーはポーラースターを4,651,162ドルで売却したと発表しました。

当時これは宝石もしくはジュエリー1個に支払われた額としては最高で、カラットあたり112,000ドルとなり、ホワイトの宝石の最高記録でもあったのです。

買い手であるスリランカのラジーン サリは、ポーラースターを「投資として」購入したと語りました。

本文の参考資料並びにソース：GIA DIAMOND