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最近ご来店いただいたお客様から、通常の婚約指輪は普段着けなくなるので、セットリングを薦められたというお話をよく耳にする様になりました。
婚約指輪と結婚指輪の重ね着け自体は昔からあり、トラディショナルな婚約指輪の縦爪リングとシンプルな結婚指輪の甲丸リングとの重ね着けが最もベーシックな組み合わせです。
某海外ブランドの広告で婚約指輪とエタニティリングの重ね着けは、その完成された組み合わせを見て憧れた方も多いのではないでしょうか。
そうした重ね着けの文化を習ったのか、どうしても婚約指輪を売らなければならないチェーン店の思惑が、いつの間にか日本特有のセットリングという形態に落ち着いたのではないかと推察いたします。
結論から申し上げますと、通常の婚約指輪を着けない場面には、セットリングの婚約指輪(ダイヤリング?)も同様に着けない場合が殆どです。
これは婚約指輪を着けない理由は、出っ張りがあるので引っ掛かるという所作的な理由と、ダイヤモンドを着用するにふさわしくない場所だと感じるシチュエーション的な理由であるからです。
セットリングの婚約指輪もダイヤモンド自体に高さがあるため同様に出っ張りはありますし、デザインが違ってもダイヤモンドを着けている事に変わりはありません。
そのため、セットリングにしないと婚約指輪を着けなくなるという言葉は正しいとは言えません。
実際日本では結婚指輪だけを着ける機会が圧倒的に多く、普段着用するお二人のお気に入りの結婚指輪を選ぶという機会をセットリングの選択により損失する事は、賢明とは言えないかもしれません。
また経験上、欧米文化であるブライダルリングの場合、日本特有の流行は廃れる場合が多いと感じます。
ちなみに欧米や海外ブランドに日本の様なセットリングはありません。※一部ブランドの日本向け専用デザインを除く
欧米では婚約指輪を普段から着ける方が多く、婚約指輪も結婚指輪も各々で好きなものを選びたいのです。
婚約指輪と結婚指輪の隙間がぴったりとしている
セットなので選ぶのが楽
<<店舗側>>
まとまった売り上げが出来る(顧客単価のアップと囲い込みが可能)
組み合わせが1種類と少ない
好きな結婚指輪を選べない
違うブランドとの組み合わせが出来ない
婚約指輪ストレート形は、基本的に結婚指輪もストレート形もしくはV字形で組み合わせが可能です。
婚約指輪V字形は、婚約指輪の上からストレート形の結婚指輪を着ける事でぴったりとフィットいたします。
重ね着け以外に両方の薬指に着用したり、年齢を重ねて婚約指輪を(誇らしく)中指に、結婚指輪は薬指に着用する方もおられます。
可能であればダイヤモンドグレードはG・VS2で良いので出来るだけ大粒で、しっかりとしたセッティング枠のご選択ををお薦め申し上げます。
着けなくなる一つの理由として、現在主流の華奢で小さすぎるカラットの婚約指輪は、年齢を重ねた時に可愛いすぎると感じる場合があるからです。