Famous Diamond
重量:3106.75カラット(原石)
クラリティ:発見時ほとんどフローレスと言われる
産地:トランスパール、南アフリカ
今まで発見された中で一番大きな宝石品質ダイヤモンドはカリナンで、大きさは握りこぶしほどしかありません。
1905年1月25日プレミア鉱山の監督者フレデリックウェルズは、仕事を終えた鉱山の最終点検をしていました。
すると突然、作業員が支離滅裂に叫び走り寄ってきました。
作業員が示した穴の壁には、沈みかけた太陽の光に照らされ、何かが埋まっていたのです。
最初ウェルズは、いたずらでそこにおかれたガラスの破片だろうと考えました。
何故なら、よく鉱山労働者はこのようないたずらをすることで知られていたからです。
彼はその物体を壁から掘り起こしてみると、それは今までに発見された中で一番大きな宝石品質のダイヤモンドに一変しました。
このダイヤモンドは、ちょうどその日に鉱山を訪れていたプレミア鉱山の創立者、サートーマスカリナンにちなんで「カリナン」と名付けられました。
英国国王エドワードⅦ世に献上され、王は世界最大のダイヤモンドをカットするという重大な仕事を任せる相手として、アムステルダムの有名なアッシャー商会を選びました。
(アッシャー商会は現在宝石ブランドとして有名なロイヤルアッシャーの前身です。)
アッシャー商会は、カリナン発見以前に最大のダイヤモンドであった995カラットのエクセルシオーをカットした経験がありました。
アッシャーの専門家たちは何カ月もかけて結晶を研究し、1908年2月10日午後2時45分ヨゼフアッシャーによりカリナンはカットされました。
(最初の一撃でびくともしなかったため、彼は失神したと世間では噂されました。)
その石は9個の大きな石と96個の小さな石と未研磨のピースに分けられました。
最大の2個は、英国王室のために取っておかれました。
(そのうち1番大きな石はペアーシェイプにカットされた530.20カラットの石で、グレートスターオブアフリカ(アフリカの偉大な星)と呼ばれ余りにも有名です。)
エドワード王はもう一つの大きな石をアレキサンドラ王妃に買いました。
残りの大きな6個の石は、1910年に次期王であったジョージ5世の王妃であるメアリーに贈られました。
その中の比較的小さな2個は王室からルイスポターに贈られ、ルイスポターは自分の娘が17歳になった時にそのうちの1個を贈りました。
残りの小さな石がどこに行ったか、今日それを知る人はいません。
その中の1個がいつの日か皆さんの前に現れるかも知れません。
宝石品質の原石ダイヤモンドとして、最も大きな10個のうち7個は20世紀に発見されましたが、カリナンの3分の1にも満たないものばかりです。
しかし、明日何が発見されるかは誰も分からないのです。
本文の参考資料並びにソース:GIA DIAMOND