Diamond Type
カラーの考察の項で、ダイヤモンドの色の原因が不純物元素の含有と結晶の歪であることを述べました。
単一元素の炭素のみで構成され、結晶構造も完全なダイヤモンドは、可視光線を吸収しないため無色透明となりますがこれは理論上のみで、実際のダイヤモンドは不純物元素(窒素や硼素等)や原子の欠落、結晶格子のゆがみがあり、それらが特定の可視光線を吸収し、その結果として色を発生しているのです。
この色の要因そのものは、カラーセンターと呼ばれています。
ダイヤモンドが含有するカラーセンターである不純物元素に関して、研究者の間では4つのタイプに分けられています。
窒素原子を含有するダイヤモンド。
窒素原子は特定の結びつきにより淡いイエローの要因になる。
その他の結びつきでは、色を全く生じない場合もある。
産出されるダイヤモンドの約95%がこのタイプ。
窒素原子を含有するダイヤモンド。
Ⅰa型の中でも大半は単独で孤立した窒素原子を含有するダイヤモンド。
カナリーイエローと呼ばれる、彩度の高いファンシーイエローがこれに含まれる。
不純物元素が検出されない、非常に純粋な炭素で構成されたダイヤモンド。
その割合は、宝石品質ダイヤモンド全体のわずか2%弱。
硼素原子を含有するダイヤモンド。
主にブルーの色が生じる原因となる。
Ⅰa型の中には窒素原子の結びつきにより、黄色くなるものもあればほぼ無色となるものもあります。
またⅡa型のダイヤモンドは、理論上完全な無色透明となりますが、結晶格子のゆがみ等他の要因がカラーセンターの役割を果たすため、必ずしも無色透明とはなりません。