Diamond Trade 2019
2020年に入り好調を取り戻しつつあるダイヤモンド業界。
新たな年度に気を引き締めつつ、昨年一年間を振り返ります。
世界のダイヤモンド業界は、供給過剰と与信の引き締めをきっかけに2019年には縮小し続けました。
米中貿易戦争に悩まされながらも世界経済が好調に推移する中、小売業におけるジュエリーの売上げは伸び続けている模様です。
好調だった2018年の米国ホリデー商戦が過ぎ、2019年前半に原石と研磨ダイヤモンドの在庫が増加し続け価格が軟化しました。
市場の1位2位で約3分の2を占めるデビアスとアルロサは、原石の売上げが今年の第3四半期連結累計期間で約25%減少したと報告しました。
南アフリカのダイヤモンド鉱山会社ペトラリソーシズの調査によると、原石の価格は平均して約15%下落し、特に下半期には減少が著しかったと報告しています。
第3位の生産者であるリオティントは原石の売上高は同期間で15%以上減少したと報告しており、これはダイヤモンド部門が上半期の損失を計上したためとしています。
これらの生産者は、ダイヤモンド製造業者からの需要が徐々に増加しつつあるため、供給が改善していると11月に報告しました。
全体的なダイヤモンドの生産量は、2018年の合計1億4千800万カラットから約800万カラット減少すると予測されています。
米国商務省の発表によると、米国の時計および宝飾品の売上高は1月に0.7%減少し、2019年上半期では2018年をわずかに下回りました。
しかし、第3四半期の需要はプラス圏にまで上昇し、2018年の同月と比較して9月には6%の増加となりました。
LVMHに買収される過程にあるティファニーは、米国における観光客の購入が減少したためニューヨーク旗艦店での売上高が減少、香港の不安定な情勢のため客足が遠のき、この四半期の売上げは横ばいであったと報告しました。
ラボラトリーグロウンダイヤモンドの市場は、引き続き拡大しています。
ラスベガスで行われたJCKショーでは昨年を大幅に上回る約50社がラボラトリーグロウンダイヤモンドを販売し、価格は同等の品質の天然ダイヤモンドの30%~40%とかなり低下しました。
調査会社ベインアンドカンパニーでは、ラボラトリーグロウンダイヤモンドが5年間で売上高の約15%~20%を占めると予測しており、今年はその目標に向かって大きな一歩を踏み出した可能性があります。
国内研磨済みダイヤモンド価格においては、2019年に弊社比で5~10%程度の下落が認められています。
今後の動向につきましては、上述記事の通り需給要因により左右されると考えられます。
ラボグロウンダイヤモンドについては、業界内で一定の懸念があるものの、一昨年デビアスがライトボックスジュエリーを発表し話題をさらった後は大きな変化が無い様に思われます。
宝飾展等で取扱業者は増えており、まだお高い様ですがこれが飛躍的に安くなれば、天然ダイヤと同等に輝くアクセサリーとして、一般的に受け入れられるのだろうと予想しています。
弊社としましては、「天然ダイヤモンドでありながらリーズナブルな価格」の実現に努力を惜しまず、ご提供を続けて参りたいと考えています。