Answer
それぞれ相場価格の近似した3つのグレードでお悩みのことと存じ上げます。
全てのケースにおきまして、他の要因(ダイヤモンドのプロポーションに対する個人の感受性の違い等)により、綺麗に見えるものは異なりますので、あくまで他の要因が全く一緒と仮定しご返答させていただきます。
また、それぞれ隣り合ったグレードの境界線近くにある2つの石の比較では、その違いも殆ど無いと言えますので、それぞれグレードの範囲の中間地点にあるものと仮定します。
まず最初に、仮に上記3つのグレードをそれぞれ全く同じジュエリー枠にセッティングしたと仮定し、それぞれを注意深く観察したところで3点とも非常に綺麗なジュエリーに他ならず、相互の違いを発見する事はほぼ不可能です。
※ジュエリーとしての出来栄え(=肉眼で判別できる違い)は、Gカラー以上VS2以上というくくりでは、カラット(大きさ)の差による輝きの総量の増減が一番影響を与えます。
そのためここではもう少し掘り下げ、肉眼で感じることが出来る範囲を超えた厳密な観察眼を元に言及をさせていただきます。
まずクラリティグレードでございますが、物理的なインクルージョンの数・大きさ・色の濃さ等が大きく違ってまいりますのは、VVSとVSの境界線となりますので、厳密な意味でクラリティ要因の影響による綺麗さはVVS2>>>VS1>>VS2と言えるかと存じます。
カラーに関しましては、非常に微小な色の濃淡の違いとなり、枠付けしたダイヤモンドのそれぞれの色の違いは鑑定士でも判別不可能です。
ただ、結晶の歪や不純物元素の含有は、カラーが良くなるほど少なくなり光学的に優れてまいります。
そのためカラーグレードは高いほど良く、クラリティ要因をどの部分まで許容するかが選択の基準になってまいります。
先ほど厳密な意味でクラリティを言及しましたが、VS2(あくまでも中間値の場合)であっても光線の通過を妨げる程の大きな内包物ではありません。
そのため、VS2(出来ればVS1)以上であればカラーグレードを優先することをお薦めしています。
それぞれ厳密な観察眼でも微小僅差であり、見た目の綺麗さは変わりませんが、以上の理由から申せばDカラーVS2になるかと存じ上げます。
※綺麗なダイヤモンドの要因に10倍以上に拡大したダイヤモンドの、内包物の無い透明感を含める場合、VVSクラスをお薦め申し上げます。
※VS2はかなり広いレンジのグレードとなり、SIに近いものでは輝きによるインクルージョンの明滅を考慮しない場合、肉眼ではかろうじて判らないものの10倍のルーペでやや容易に判別できるインクルージョンを含むものもございます。
※D、VS1がモアベターとなりますが、市場でも人気が高く相場もそれに比例しています。
※現在相場では、VS1とVS2の差がやや顕著になっており、比較的カラーグレード差より重要視される傾向がございます。