Color
ひとつだけを光に透かしてもわからないほどですが、ダイヤモンドには完全な無色から薄い黄色まで自然の色がついています。
無色に近いものほど光をスムーズに透過させ、虹色に輝き、希少価値があります。
しかし、カラーグレードの違いは驚くほど微妙で、熟練した専門家が理想的な明かりの下でダイヤモンドをルース(裸石)の状態で見て、初めてその違いがわかるくらいです。
また、ひとくちに白と言っても、陶器の白、紙の白、砂糖の白、雪の白などそれぞれ微妙な違いと美しさを持っていますし、黄色味があったとしてもカラー自体は各々のお好みの問題もあります。
もし、 見た目での透明(カラーレス)にこだわれる場合は、Gカラー以上であれば(比較するのではなく単体で見た場合)肉眼では色付きを判別するのは困難ですし、Dカラーより希少性は下がったとしても、輝きには全くと言って良い程影響を与えません。
ダイヤモンド原石の良し悪しと、ダイヤモンドのカラーの要因には密接な関係があります。
原石の原子配列の僅かなズレと、微少の不純物元素(チッ素やショウ素)の含有がカラーの要因となるのです。
不純物元素の含有は、原子配列の均一性にも影響を及ぼします。
完全に均一な原子配列と、全く不純物元素を含まない状態に近づくほど、ダイヤモンドも完全な無色透明に近づくのです。
宝飾用ダイヤモンド原石の中で理想的な原子配列に近いとされるソーヤブルと言われる8面体原石でも、その中からDカラーのダイヤモンドが見つかるのは非常に稀です。
その事実を捉えますと、例えば高級宝石店のEカラーやFカラーのダイヤモンドより、あなたの町にある小売店のDカラーのダイヤモンドの方がより純粋な(優れた)原石からカッティングされているという事実が分かります。
またダイヤモンドの産出地により、良質な原石が産出される割合は異なりますが、構造が優れた原石を多数産出すると言われる産出地であっても、Dカラーの完全な無色透明の原石だけが産出されるわけではありませんので、特に産出場所にこだわる必要は無いと言えるでしょう。
カラーのグレードを決めるにあたっては、マスターストーン(標準石)を使い専門家によって検査され、下のチャートのように鑑定されます。
実質的にどんな物体でも白色光を構成する色の一部を吸収しています。
その残りの光を石の基本色として見ているのです。
これを宝石においては地色と呼ばれています。
色には色相(色の基本感覚)、明度(相対的明暗)、彩度(強さ)の3つの構成要素があります。
ダイヤモンドでは、色が無いことは稀なので高く評価されます。
殆どの色は明るい色合い(イエローイッシュ、ブラウニッシュ、グレイッシュ)を帯びています。
カラーグレーディングにおいては地色を考慮し、その色の深み(明度と彩度の組み合せ)について、最も稀なD(無色)からZ(ライトイエロー)までのスケールでグレーディングされます。
各グレードは、単一の色合いというよりは、狭い色の範囲を表しています。
また、ファンシーカラーダイヤモンドは、明瞭で魅力的な自然の色合い(Zカラーより深いイエローおよびブラウン、グレー、およびオレンジ、ブルー、グリーン、ブラック、バイオレット、ピンクなどもっと珍しい色)をしています。